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中小企業の電気代を削減する方法|空調・照明・契約の見直し方

中小企業の事務所で空調や照明の電気代を見直すイメージ

電気代は、毎月の請求書を見て「また上がっているな」と感じやすい費用です。事務所なら空調と照明、店舗なら冷蔵庫や看板、工場なら機械設備やコンプレッサー。業種によって電気を使う場所は違います。

ただ、いきなり電力会社の切り替えから始めると、思ったほど下がらないことがあります。まずは請求書を見て、次に現場を見る。この順番のほうが、ムダを見つけやすいです。

この記事では、中小企業や個人事業主が取り組みやすい電気代削減の方法を、空調・照明・OA機器・契約内容に分けて紹介します。

最初にここだけ確認
  • 前年同月より使用量が多い
  • 夏・冬だけ電気代が高い
  • 会議室や倉庫の消し忘れが多い
  • エアコン掃除をしていない
  • 契約プランを何年も見ていない
  • 古い空調・照明を使っている

電気代削減は「使う量」と「契約内容」を分けて見る

電気代を下げるときは、使う電気の量を減らす方法と、契約内容を見直す方法があります。どちらか片方だけを見るより、両方を並べて確認したほうが進めやすいです。

たとえば、夏だけ高いなら空調が原因かもしれません。毎月ずっと高いなら、照明やOA機器、冷蔵設備、契約容量のほうを見ることになります。月末処理で請求書を見ている担当者が、現場に一言聞くだけで理由が見えることもあります。

見る場所 確認する内容 見直しの例
使用量 前年同月と比べて増えていないか 空調、照明、設備の稼働時間を確認
基本料金 契約容量が今の使い方に合っているか ピーク時間や設備の同時稼働を見直す
料金プラン 営業時間や休日に合う契約か 昼間利用、夜間利用、季節変動を確認
設備 古い空調や照明を使い続けていないか LED化、高効率設備への更新を検討

電気代を見直す優先順位

全部を一気に見ようとすると、途中で止まりやすいです。まずは、現場で確認しやすく、効果も見えやすいところから始めます。

最初に確認

空調

夏と冬に電気代が跳ねる会社は、まず空調を見ます。設定温度だけでなく、フィルターや室外機も確認します。

次に確認

照明

事務所、店舗、倉庫で点灯時間が長い場合は、LED化や消し忘れ対策が効きやすいです。

忘れやすい

契約内容

使用量を減らしても、契約容量や料金プランが合っていないと削減幅が小さく見えます。

実際の現場では、経理担当者だけで判断するより、現場の担当者に聞いたほうが早いです。「その月だけ残業が多かった」「冷蔵庫を増やした」「入口付近が暑くてエアコンを強めていた」など、請求書だけでは見えない理由が出てきます。

中小企業の電気代を削減する方法

1

空調の使い方を見直す

設定温度を社内でそろえる

電気代の見直しで、最初に手をつけやすいのが空調です。夏場の午後、事務所に入った瞬間に「少し寒いな」と感じるなら、設定が強すぎるかもしれません。

ただ、温度を上げれば済む話でもありません。窓際だけ暑い、入口だけ冷気が逃げる、奥の席だけ寒い。こういうズレがあると、誰かが我慢する形になります。温度設定だけでなく、席の配置や風の流れも見ます。

フィルターと室外機を確認する

エアコンの効きが悪いと、つい設定温度を下げてしまいます。フィルターにホコリがたまっていたり、室外機の前に段ボールや清掃道具が置かれていたりすると、余計に電気を使いやすくなります。

月初の掃除当番に「フィルターを見る」「室外機まわりを見る」を入れてしまうと忘れにくいです。裏口やバックヤードに室外機がある場合は、意外と物置きになっています。

2

照明のムダを減らす

点灯時間が長い場所からLED化する

照明を長く使う事務所、店舗、倉庫では、LED化が見直し候補になります。すでに一部だけLEDになっていても、会議室、廊下、トイレ、倉庫だけ古い蛍光灯のまま残っていることがあります。

一気に全部変えなくても、点灯時間が長い場所から順番に進めれば十分です。まずは「どこがまだ古い照明か」を一覧にするだけでも、次の作業がかなり楽になります。

会議室・倉庫・休憩室の消し忘れを減らす

会議室や倉庫は、使ったあとに照明や空調がついたままになりがちです。忙しい日ほど、最後に使った人がそのまま出てしまいます。

貼り紙だけだと、数日で風景になります。会議室なら予約終了時に消す、倉庫ならスイッチ横に小さくメモを貼る、休憩室なら最後に出る人が見る。これくらい具体的なほうが動きやすいです。

優先度 場所 確認する内容
事務所・店舗 営業時間中ずっと点灯している照明、古い蛍光灯、明るすぎる場所を確認する
倉庫・バックヤード 人がいない時間もついていないか、スイッチが分かりにくくないかを見る
トイレ・廊下 人感センサーや点灯時間の短縮が合うか確認する
3

OA機器・冷蔵設備の使い方を整える

パソコン・複合機の省電力設定を見る

パソコン、モニター、複合機、プリンター、充電器などは、ひとつずつ見ると小さな金額に感じます。でも台数が増えると、じわっと効いてきます。

複合機や大型プリンターは、夜間や休日も動いている設定になっていることがあります。使わない時間帯の省電力モード、スリープ設定、電源の切り忘れを確認します。

冷蔵・冷凍設備は温度より運用を見る

飲食店、小売店、食品を扱う事業者では、冷蔵庫や冷凍庫の電気代も見逃せません。扉の開閉回数が多い、詰め込みすぎて冷気が回らない、熱を持つ機器の近くに置いている。こういう積み重ねで電気を使います。

食品を扱う設備は、温度管理を崩さない範囲で見ます。無理に温度を上げるより、清掃、置き方、扉の開閉時間、周辺の熱気を確認するほうが現実的です。

4

電気を使う時間をずらす

ピークが出やすい時間帯を避ける

工場や作業場では、複数の機械を同時に動かすことで電力のピークが上がることがあります。契約内容によっては、このピークが基本料金に影響する場合があります。

朝一番に空調、コンプレッサー、大型機械をまとめて動かすのではなく、少し時間をずらす。これだけでも電気の使い方がなだらかになります。現場の流れを急に変えると反発が出るので、まずは一部の設備だけで試すくらいがちょうどいいです。

月末・繁忙期だけ高い理由を聞く

電気代が高い月には、現場側の理由があることも多いです。月末の出荷前に機械を長く動かした、繁忙期で残業が続いた、夏場だけ入口を開ける時間が長かった。数字だけ見ても、ここは分かりにくいです。

経理担当者が請求書を見ながら「この月、何かありましたか」と聞くだけで、次に触る場所が見えてきます。

5

契約容量・料金プランを確認する

直近12か月の請求書を並べる

電力会社やプランを見直す前に、直近12か月の請求書を並べます。使用量、請求金額、基本料金、季節ごとの増減を見ると、自社の使い方がかなり見えてきます。

昼間だけ営業する事務所と、夜間も稼働する工場では、合う契約が違います。営業時間、定休日、夜間利用、今後増える設備も合わせて確認します。

設備更新は削減額だけで判断しない

古い空調や照明、冷蔵設備を新しくすると、電気代が下がる可能性があります。ただ、買い替えにはまとまった費用がかかります。

見積金額、削減見込み、故障リスク、工事中の営業への影響を並べて見ます。補助金や自治体の支援制度が使える場合もあるので、設備業者や商工会議所に確認しておくと話が進めやすいです。

業種別に見直したい場所

電気代の使い方は、業種でかなり違います。事務所中心の会社と、店舗、工場では見る場所が変わります。

業種・場所 電気代が増えやすいもの 見直し例
オフィス 空調、照明、パソコン、複合機 空調設定、LED化、スリープ設定、会議室の消し忘れ対策
飲食店 冷蔵庫、冷凍庫、厨房機器、空調 冷蔵設備の清掃、扉の開閉時間短縮、厨房の排熱対策
小売店 照明、空調、看板、冷蔵ケース 営業時間外の看板、店内照明のゾーン分け、空調の風向き調整
工場・作業場 機械設備、コンプレッサー、空調、換気 稼働時間の分散、エア漏れ確認、設備更新、ピーク管理

よくあるミスは「電力会社の比較」から始めること

電気代を下げたいとなると、すぐに電力会社の比較をしたくなります。もちろん契約の見直しで下がる場合はあります。ただ、使用量が増えている原因を見ないまま切り替えると、思ったほど下がらないことがあります。

夏だけ高いなら空調、月末だけ高いなら機械の稼働集中、通年で高いなら照明やOA機器。先に原因を分けてから動いたほうが、無駄な手間を減らせます。

電気代削減を進める順番

ステップ やること 見方
Step 1 直近12か月の請求書を並べる 使用量、請求金額、基本料金、高い月を確認する
Step 2 高い月の理由を現場に聞く 残業、繁忙期、設備追加、季節要因を分ける
Step 3 空調・照明から見直す お金をかけずにできる設定、清掃、消し忘れ対策を試す
Step 4 OA機器や設備の使い方を見る 省電力設定、稼働時間、ピーク時間を確認する
Step 5 契約や設備更新を検討する 12か月の使用状況をもとに、料金プランや更新の見積を比べる

電気代削減チェックリスト

社内で見直すときは、下の項目を印刷して事務所や店舗を歩きながら確認すると使いやすいです。

  • 12か月分の電気代を確認した
  • 前年同月と比べた
  • 高い月の理由を確認した
  • 空調の設定温度を見直した
  • フィルターを掃除した
  • 室外機まわりを片付けた
  • 古い蛍光灯を確認した
  • 会議室の消し忘れを確認した
  • 倉庫・休憩室の照明を確認した
  • 複合機の省電力設定を見た
  • モニターの消し忘れを確認した
  • 冷蔵設備の置き方を見直した
  • 機械の同時稼働を確認した
  • 契約容量を確認した
  • 料金プランを見直した
  • 設備更新の候補を出した

よくある質問

電気代削減は何から始めるとよいですか?
最初は、直近12か月の請求書を並べて、高い月と低い月を確認します。そのあと、空調、照明、OA機器、契約内容の順に見ると進めやすいです。
電力会社を切り替えれば電気代は下がりますか?
下がる場合もありますが、使用量が増えている原因を見ないまま切り替えると、期待したほど変わらないことがあります。先に使い方を確認してから、契約内容を比べる流れが無難です。
社員に節電をお願いしても続かない場合はどうすればよいですか?
「節電してください」だけだと続きにくいです。会議室を出るときに消す、月初にフィルターを見る、倉庫のスイッチ横にメモを貼るなど、行動を小さく決めたほうが定着しやすいです。
設備更新はいつ検討するとよいですか?
空調や照明が古い、故障が増えている、電気代が高止まりしている場合は検討しやすいタイミングです。見積金額、削減見込み、工事中の影響を並べて判断します。

まとめ

中小企業の電気代削減は、我慢を増やすより、使い方を整理するほうが続きます。

まずは請求書を見て、どの月に増えているのかを確認します。そのうえで、空調、照明、OA機器、冷蔵設備、契約内容の順に見ていくと、無理なく進めやすいです。

月末の請求確認に合わせて、少しずつ見直すくらいが現場にもなじみます。電気代は毎月出ていく費用なので、小さな改善でも積み重なると効いてきます。